夫婦生活が長くなってくると、夫婦の意見の合わない場面が度々あり、どう乗り越えるのかという「知恵」が大事になってくるように思います。

競争社会の日本で、私は子どもの頃から「負けず嫌い:人に負けることが嫌いで何事にも頑張るさま」の性格でした。それは向上心につながり、若い時には負けず嫌いの性格の恩恵を受けてきたように思います。負けず嫌いの向上心がなければ、大学入学を機に九州から東京に引っ越したり、今の仕事に就いたりもしていなかったでしょう。

ところが、この「負けず嫌い」の性格は、1回目の結婚生活では裏目に出ました。前夫に負けたくないという気持ちから、家庭内でのケンカが多かったからです。本当は味方であるはずの配偶者が、ライバルのように感じることが多かったように思い出します。

年を重ねるにつれて、「負けるが勝ち:つまらない争いを避け、相手に勝ちを譲ることで、最終的には自分の勝利になる」という考え方を身に付けてからは、ずいぶんと生きやすくなりました。若い頃の「負けず嫌い」から中年期には「負けるが勝ち」へと価値観が大きく変わりました。

今の夫と意見が合わない場面があった時「負けるが勝ち」の精神で夫に譲歩して、私が夫の意見を先に受け入れたところ…最終的には夫が私の意見を受け入れて、私の思い通りの結果になり、驚いたことがありました。意図せずに先に夫に譲っただけで、最終的には自分にとって嬉しい結果を得られたのです。

家庭内では夫婦の協力関係が大事なので、夫婦の無駄な争いをなるべく避けたい。命の危険があるような場面であれば話は別ですが、大抵の場面では「負けるが勝ち」の精神で夫に先に譲れば、自分も気が楽になるということが分かってきました。

結婚生活が長くなると、夫婦が互いに甘えも出てくると思います。でも「妻は夫に冷たく、夫に厳しい態度を取るけれど、夫は妻に優しくしてほしい」というのは、単なる妻のわがままですよね。相手に優しく接してもらいたいと思えば、自分も優しい態度で相手に接することが友人関係では普通だと思います。夫婦も友人関係と同様に、お互いに敬意をはらって相手を大切にしなければ、良い夫婦関係が長続きしないように思います。

夫婦喧嘩になりそうな苦しい場面では「負けるが勝ち」を思い出して、1回目の結婚生活で失敗したことや反省点を2回目の結婚生活で生かしているところです